読書備忘録〜物語の法則〜
今回は読書備忘録ということで、『物語の法則』を読んでみての備忘録を残していこうと思います。
今回はこの本の中でもっとも中心的な概念を説明するしていきます。
ではいきましょう!
皆さん、この二十世紀でもっとも影響を与えた本はなんなのでしょうか?
もしかしたらその書物の一つはジョーゼフ・キャンベルの『千の顔を持つ英雄』かもしれません。
キャンベルはこの研究の過程において、世界の英雄伝説が基本的に全て同じであるということに気がつきます。「それが意識的か否かともかくとして、全ての物語構成は神話の古くからのパターンに従っており、粗野なジョークから至高の文学作品まで、すべての物語は英雄伝説に置き換えて理解できる」(p.71)と主張しています。
『千の顔を持つ英雄』は「口述で伝えられてきた伝説や、記録されてきた文学の全てにおいてもっとも続いてきたテーマ➖英雄伝説➖を研究し、それを明確に主張した文献」(p.70)であるとされています。それがキャンベルが『千の顔を持つ英雄』に示した貴種流離譚の原理です。
このキャンベルの考えはスイスの心理学者カール・ユングにも似たところあるといっています。
ユングは”原型”という概念の中で「人々の夢やあらゆる文化の神話にたえず繰り返し登場してくるキャラクター」(p.71)という考えを提示しています。
さらにユングは「自分のみている患者の夢や妄想の人物は神話の一般的な原型と非常に似ているということに気づいたといいます。つまり、どちらも人の心のさらに深いところからやってきているものではないかと考え、その源を人類の”集合的無意識”」(p.71)と呼びました。
「繰り返し現れる英雄伝説の登場人物、すなわち若き英雄、年老いた賢者、変身する人物、謎めいた敵対者などは人の思考の原型として夢に現るものと一致している」(p.71)と主張しました。だからこそ我われは、神話や神話的なモデルに基づいて構築される物語が、心理的にリアルに感じられるのではないのでしょうか。
「英雄伝説のモデルに基づいてできた物語は誰にでも感じ取れる魅力を備えています。なぜなら、それらの物語は集合的無意識の普遍的な源泉から湧き出しているものであり、普遍的な関心事を反映している」(p.72)からです。
では最後にジョーゼフ・キャンベルが分析し発見した英雄の旅路<ヒーローズジャーニー>の流れを簡単に説明したいきたいと思います。
ヒーローズジャーニーは次のようなステージで進んでいきます。
1<日常世界>
2<冒険の誘い>
3<冒険の拒否>
4<賢者との出会い>
5<戸口の通過>
6<試練、仲間、敵>
7<最も危険な場所への接近>
8<最大の試練>
9<報酬>
10<帰路>
11<復活>
12<宝を持っての帰還>
最後に
何かシナリオを作るときはこのツールが大いに役にたつのではないでしょうか。
今回書いてあることは『物語の法則』の本の一部でしかありません。
もしここまで読んで気になっている方は是非買ってみてください。